現在、お酢は、穀物酢、米酢、黒酢、リンゴ酢、さらには、果実酢などドリンクにして飲むお酢などさまざまな種類のお酢があります。
お酢には、さまざまな体良い働きに期待されていますが、お酢は種類によって使われている原材料が違います。ですので、期待できる効果も違ってきます。その特徴を良く理解して使うといいですね。
ここでは、最初にお酢全般に共通するお酢の効果、さらに黒酢、リンゴ酢、バルサミコ酢の個々の期待されている効果を紹介します。また、お酢の効果的な摂り方ついても紹介していますので参考にしてくださいね。
お酢全般に共通する効果
TV番組「林修の今でしょう講座」に、自分の血圧を24時間、31年間も測り続けていると言う血圧のスペシャリスト、東京女子医科大学教授 渡辺尚彦先生が登場し、お酢の効果について講義しました。その内容を紹介します。
酢は、お酒を酢酸菌で発酵させたもの。お酢の刺激臭の正体は酢酸です。その酢酸は、全てのお酢に含まれており、血糖値や血圧の上昇を抑えたり、疲労回復などの効果があります。
酢酸が血糖値を下げる
炭水化物(糖質)を食べると、胃で消化酵素で分解され、小腸でブドウ糖になり、血液中に流れます。
すると膵臓からインスリンというホルモンが出てきます。インスリンは、血液中にあるブドウ糖を筋肉や臓器など全身の組織に取り込むように働きエネルギーとして使われます。
このインスリンですが、量には限界があります。血液中に糖質が多くなると、それだけインスリンが使われ、徐々に少なくなってしまいます。
すると、インスリンの働きが低下しブドウ糖が長時間血液中にいることになり血管にダメージを与えてしまうのです。
血管にダメージを与えないようにするには、血糖値の上昇を抑えてインスリンの無駄遣いを防止して大切に使うことが大切になります。
お酢に含まれている酢酸は、食後の血糖値の上昇を抑える働きがあり、インスリンの分泌を抑えます。
お酢に含まれているアデノシンが血圧を下げる
お酢に含まれている酢酸が体内に入ると、細胞からアデノシンが分泌されます。
アデノシンは、血管を拡張する働きがあり、それにより血圧の上昇を抑える効果がある事が研究で報告されています。。
その研究データーによると、毎朝大さじ1杯(15ml)のお酢を毎日8週間摂取し血圧の変化を測定したところ、元々、150以上あった血圧が、8週間後には140台の前半に血圧が下がったと報告されています。
ですが、その研究には続きがあり、お酢の摂取を止めてしまうと、再び血圧は元の数値に戻ってしまったそうです。
つまり、血圧を下げる働きを期待するなら、お酢は毎日摂取することが大切なんです。※お酢をたくさん飲んだからと言って血圧が下がり続ける訳ではありません。
お酢に含まれている成分は加熱調理しても壊れないものが多いので色んな料理に入れて毎日摂取するといいですね。
酢酸がAMPKを活性化して内臓脂肪を燃焼
もう一つ、生活習慣病として問題になっているのが内臓脂肪が蓄積されるメタボです。
お酢に含まれている酢酸が体内に入ると、AMPK酵素が活性化され、脂肪を合成させるのを阻止したり、内臓脂肪の燃焼を助ける働きをします。肥満やメタボ予防にも期待できます。
このAMPK酵素は、糖質や脂肪を燃やすように命令する役割があり、運動など体を動かす身体活動をすると活性化して出てくる酵素なので適度な運動もすると良いですね。
(※残念ながら、皮下脂肪については減少したという報告はまだされていないそうです。)
酢酸が疲労回復効果をアップさせる
疲労回復には、糖質を摂るのが良いと言われています。
血液中に入った糖質は全身の細胞に届けられるのですが、お酢の酢酸と一緒に摂ると、より速く取り込まれるので、短時間でエネルギー源になり疲労回復効果がアップするそうです。
糖だけ摂った場合と、お酢と一緒に糖質を摂る場合を比べると、お酢と一緒に摂った方が糖の吸収が約3倍よくなるというデーターが出ているそうです。
マラソンランナーも、糖にお酢を入れたスペシャルドリンクを飲んで疲労回復しているそうです。
黒酢の効果
黒酢は、肝臓の働きを助ける働きをします。
食事で摂った栄養は、体を作るために肝臓でアミノ酸に作りかえています。肝臓が元気に働かないとアミノ酸を作る事ができません。
お酢のなかでも黒酢にはアミノ酸が豊富にふくまれています。中でも、体内で作れない必須アミノ酸が8種類入っているので、黒酢を摂ることで肝臓をサポートします。
リンゴ酢の効果
リンゴ酢には、1リットル中300mlのリンゴの果汁が入っています。お酢が苦手な人にも飲みやすお酢です。
リンゴにはカリウムが含まれています。カリウムは余分な塩分を尿と一緒に排出してくれるので、血管のダメージを抑えてくれます。
※腎臓の悪い人はカルシウムの摂り過ぎには注意が必要です。専門医に相談してください。
バルサミコ酢は抗酸化力に期待できる
バルサミコ酢は、ブドウを熟成・発酵させてできたイタリアの伝統的なお酢です。
ブドウには、ポリフェノールが豊富に含まれています。そのブドウを使ったバルサミコ酢には穀物酢の約9倍のポリフェノールが含まれています。
ポリフェノールには、老化の原因と言われる活性酸素をやっつけてくれる抗酸化作用があります。お肌や髪の毛の老化を防ぐ働きに期待できるので女性の方は是非摂りたいお酢の一つです。
お酢の効果的な摂り方
TV番組「この差って何ですか?」に、東京農業大学 名誉教授 小泉幸道先生が出演してお酢の効果的な摂り方について講義しました。その内容を紹介します。
まずは、お酢の1日の摂取量ですが、大さじ1杯 15mlになります。
オレイン酸と一緒にお酢を摂ると悪玉コレステロールが減少
オレイン酸は、血液中の悪玉コレステロールの数を減らす働きをします。
お酢と一緒にオレイン酸を摂ると、お酢に含まれる酢酸がオレイン酸をさらに細かく分解してくれるので、オレイン酸の数が増え、より多くの悪玉コレステロールの数を減らすことが出来るんそうです。
そこで、オレイン酸が豊富に含まれているピーナッツをお酢に漬けた「お酢ピーナッツ」がオススメなんだそうです。
お酢にピーナッツをつけることで、2つのメリットがあります。
- ピーナッツのオレイン酸が吸収されやすくなる
- 消化されやすくなる
お酢ピーナッツの作り方
皮のついたピーナッツを使いましょう。皮の部分にはポリフェノールが豊富に含まれていて、血管を広げて血圧の上昇を抑える働きをします。
容器にピーナッツを入れて、ピーナッツが全部浸かる位までお酢を入れて、冷蔵庫で半日寝かせると食べれるようになります。
使うお酢ですが、現在いろんな種類があるので、自分の好きなお酢を使ってつくりましょう。
酢が苦手な方は、リンゴ酢を使いハチミツを適量入れて漬けるとより食べやすくなります。
毎日20粒位食べるのがおすすめですが、食べるタイミングは朝がオススメです。人間の血圧は朝起きてから上昇して夜に向かって下がるので、血圧が上昇する朝が良いとのことです。
牛乳にお酢を入れるとカルシウムの吸収アップ!
年齢とともにカルシウムが不足するので、牛乳などで毎日カルシウムを摂るように言われていますが、実は、カルシウムは吸収されにくい栄養素の一つです。カルシウムだけで撮っても、吸収されるのは約半分の50%と言われています。
ところが、カルシウムにプラスしてお酢と一緒に摂ると、動物実験では吸収率が約60%に上昇したそうです。
そこで、牛乳のお酢を入れたドリンクがおすすめ。予想できない飲み物ですが、飲んでみると飲むヨーグルトのような味わいで意外ですが飲みやすいんですよ
お酢を入れた牛乳ドリンクの作り方
・牛乳120ml
・お酢大さじ1
・ハチミツ大さじ1
あさりの味噌汁にお酢を入れるとカルシウムがアップ
その他にも、カルシウムの吸収をアップさせる食べ方があります。あさりのみそ汁にお酢を入れて食べるとカルシウムがアップします。
アサリの貝殻にはカルシウムが沢山含まれています。お酢を入れて味噌汁を作ることでよりカルシウムが溶けだして4倍増えるそうです。ポイントは沸騰させる前にお酢を入れます。
お酢を入れたあさり味噌汁の作り方
- 鍋にアサリと水を入れます。アサリ100gに対して水400ml
- そこにお酢を大さじ1入れます。
- 沸騰させ、沸騰後も8分加熱します。※沸騰させている間にカルシウムが溶けだします。
- 最後にお好み量の味噌を入れて完成です。
飲んでビックリお酢が入っているなんて全くわかりません。是非試してみてくださいね。