子供の頃は、母が「梅干しは体に良いから毎日1個は食べなさい。」と、毎日欠かさず食卓に出してくれていたので毎日梅干しを食べていましたが、親元から離れて暮らすようになってからは、食べる機会も少なくなりました。
近年、その梅干しがもっている栄養効果が様々なテレビ番組で紹介され注目されています。そこで、ここでは、その梅干しの素晴らしいパワーや効果的な食べ方についてまとめています。
梅干しと血圧の関係
梅干しと言うと塩分が多いので、血圧を高めるのではないか。そう思っている方も多いかと思います。実は、血圧を下げる働きをしてくれるそうです。
これは、テレビ番組『林修の今でしょ!講座』に、20年間梅干しを研究している和歌山県立医科大学 宇都宮洋才准教授が出演して話されていたんですが、宇都宮教授の説明によると、教授が行った研究では、血圧を上昇させてしまうアンギオテンシンⅡというホルモンの働きを抑制する効果が梅干しにはある事が分かってきたそうです。
まだ、研究中で、梅干しに含まれているどの成分がそのホルモンを抑えるのかは分かっていないとの事でした。
梅干しはカルシウムの吸収をアップさせる
また、TV番組「この差って何ですか?」でも白澤卓二先生が講義していました。
白澤先生の話によると、骨粗鬆症予防に期待できる成分が梅干しには入っているそうです。
骨粗鬆症になってしまうのは、カルシウム不足が要因と言われています。
そのカルシウムを摂取することで予防できると言われていますが、実は、カルシウムは吸収されにくい栄養素の一つなんです。
そのカルシウムを吸収されやすくするにはマグネシウムと一緒に摂ると効果的で、梅干しには、そのマグネシウムが豊富に含まれているのでカルシウムの吸収を促進することができるんです。
これは和歌山県立医科大学の研究データーでも報告があり、梅干しを食べている人の方が骨密度が約10%も高かったそうです。
カルシウムアップには梅干しは夜食べるのがおすすめ!
カルシウムの吸収をアップさせるには食べる時間帯があります
時間帯によって効率良く吸収できる時間帯があり、それが夜なんです。
もちろん、朝食べても良いんですが、カルシウムの吸収率が上昇する時間は夜の8時からなんだそうです。
効率良く吸収されるのを期待するなら、夕食の時に食べると良いんですね。
梅リグナンは抗酸化作用に期待できる
さらに、梅には抗酸化成分「梅リグナン」がふくまれているので、老化防止にも期待できるそうです。
特に、はちみつ漬けの梅の方には「梅リグナン」が、塩漬けの梅と比較して3割も多く入っています。
この理由について、白澤先生は、ハチミツ漬けの梅干しを作るときは、塩漬けになった梅干しを、塩抜きをしてからハチミツにつけるので、塩が入っていたスペースが空き、そこに種から梅リグナンが出てきてスペースを埋めるので多くなるとのことです。
焼酎漬けもつけている時に種からリグナンが出てくるそうです。
クエン酸が腸内環境を整える
また、梅干しにはクエン酸が含まれています。クエン酸は、腸内の悪玉菌の増殖を抑える働きをします。
さらに、梅干しと一緒にヨーグルトを食べると乳酸菌が善玉菌を活性化させてくれるので、一緒に食べるとさらに効果的です。
そこで、おススメのドリンクが、梅酒の飲むヨーグルトです。梅酒1:飲むヨーグルト2、これで割って飲むと飲みやすいです。便秘にも効果的なドリンクになります。
血液のサラサラ効果
梅干しは加熱して食べることで効果がある物質があります。それを紹介します。
ムメフラールと言う物質です。これは、梅干しを加熱する事で生成される物質です。
ムメフラールは血液が固まるのを防ぐ働きをしますが、加熱しないと含まれていない物質なので加熱して食べるのが条件です。
脂肪燃焼を促進する
ダイエット目的に梅干しを食べている人も増えているそうですが、梅干しの脂肪燃焼効果が注目されています。
梅干しにはバニリンという物質が含まれています。バニリンは脂肪燃焼効果があることが研究で報告されています。
バニリンを増やすなら加熱
そのバニリンを効果的に増やす食べ方があります。それは、熱を加える事です。加熱すると約20%もアップするそうです。
加熱した梅干し料理
梅干しの炊き込みご飯
お米1合に1粒の梅干しを入れて炊きます。炊き上がったら、混ぜるだけ。これだけです!
使う梅は、塩漬けの梅干しですが、ご飯の色が鮮やかなのはシソ漬けの梅干しを使うといいです。
食べる時に、大葉の千切りやゴマを入れて食べても美味しいですよ。
梅のパリパリ焼き
- 梅の種を抜いて、たたいて梅肉を作ります
- 餃子の皮に大葉をしいてその上に梅肉をいれます
- 餃子の皮に入る位に切った豚のばら肉を2枚入れます
- 餃子の皮を巻きます
- フライパンにゴマ油をしいて、焼き目がつくまで焼いて完成です!
万能ソース『梅びしお』
- 塩漬けの梅干しをぬるま湯に漬けて、塩分がぬけるまで1時間ほど漬けて塩抜きします。
- 種をぬいて、少し大変ですが、梅干しを裏ごししてください。
- うらごしした梅を鍋にいれて、弱火で15分煮ます。
- そこに砂糖・みりんを入れて、ひと煮立ちさせたら完成
とんかつのソースに使ったり、醤油を使う料理の時に代わりに梅びしおを使うと美味しくいただけるそうです。試してみてくださね。
価格の高い梅干しと価格の安い梅干しの違い
最後に、余談になりますが。同じ大きさの南高梅を使っているのに、値段に差があります。この違いはなんなんでしょう。
TV番組「この差って何ですか?」では、和歌山県にある中田食品に聞きに行きました。すると、意外な理由がありました。
梅を見ると、価格の安い梅には黒い斑点があります。これは、カビの菌が原因で出来た傷なんだそうです。
でも、安心してください、梅を塩漬けした時に殺菌されるので全く問題はないそうです。
梅は、4月ごろに青い実がなり、およそ2ヶ月かけて実が大きくなるのを待ちます。
しかし、そのとき、風によって飛んできたカビ菌が、たまたま付いてしまった梅の実にだけ黒い斑点が出来てしまうのだそうです。
その後、梅は黄色に熟して木から落ちるので、その梅を収穫します。その時、斑点がついている梅と斑点が無い梅を手作業で仕分けしているんだそうです。
黒い斑点がついていないきれいな梅は全体の40%で、その梅を使った梅干しには”特選”というシールを貼ってスーパーなどの店頭に並ぶそうです。味はかわりません。